カンガルーるるる…

オーストラリアのおみやげですと回ってきた袋の中身は
カンガルーの肉でできたカンガルージャーキーでした。
火花は国産のモツ煮も苦手なので、いわんやオーストラリアの
カンガルー肉をや…!無理、と一瞬ひるみましたが、皆さん
ニコニコかじっているので恐る恐る一本引き抜きました。
味は…なんて言ったらいいのか。。げにまっこと不可思議な珍味。。
でも、これ牛肉ですよと言われていたら、あっそうですかと
すんなり食べていたかもしれないので、気の持ちようってやっぱ
あるんですよね。。パッケージにババンてカンガルーにいられてはね。。
たはは。


なかなか飲み込めずに長いこと咀嚼していたら、むかし多摩動物園
で見たカンガルーの団体が浮かんできました。
大勢で無心にエサを食んでいた彼ら。
「カンガルーだ!」とウキウキ檻に近づいた瞬間、一斉にバッと
音がするほどの勢いでこちらを睨んだあの顔つき、忘れません。。
あの一瞬で私のカンガルー=可愛いというイメージは、カンガルー
=怖いに取って変わりました。。そのくらいの凄みが彼らには
ありました…。


幅1センチ、長さ10センチあるかないかのその干し肉を二回に
分けて飲み込み、オーストラリアってすごいとこだ…と力なく首
を項垂れた私の胃袋にはにわかに小さな軋みが。。
きっとカンガルーに胃壁を蹴られてるに違いない…とどうでもいい
想像にとらわれ、カンガルー臭い息を小さく吐き出した夏の夕暮れ
でした。